ドライバー編(考え方)①
『原因はクラブか自分か』
「クラブに自分を合わせましょう」「予算の中で決めましょう」ということがこれまでのお話です。
ここからはドライバー(考え方)のお話を4週です。
初回は少し長文ですが4週分の内容を要約しますと、ドライバーを選ぶにあたり、スライスリスクをどう考えるのか、ということに尽きます。
もっと簡単に言えば、原因はクラブにあるのか、自分のスィングにあるのか、です。
特にドライバーは、これがわかりやすいものを選びましょう、というお話です。
【クラブの進化はゴルフボールの変遷が引き起こしている】
昔に比べてトッププロたちの平均飛距離は男女ともにすごく伸びています。
クラブの進化は大きな理由ですが、それはボールに起因しています。
ボールの進化に合うクラブヘッドが開発され、さらにそれに合うシャフトが開発されます。
これはどういうことかというと、自分が飛ぶということは同じように人も飛ぶ、ということです。
その代わりいきなり足が遅くなったりしないと同じように、いきなり飛距離が伸びたり逆に落ちたりすることも考えにくい、ということでもあります。
心配しすぎずないでください。
飛ばないよりは飛んだ方がもちろんいいのですが、飛距離は一旦横に置いて、ボールの上がりやすさを重視してください。
適正な(バック)スピンを加えてボールのフライトを安定させることがまず大事です。
練習場はともかくコースの場合、どんな人でもドライバーのボールが上がらない、上がりにくい、と感じると無意識に上げようとしてしまいます。
もしも、元々が、中弾道が出やすいように設計されているクラブを無理に上げようとしてしまっていたら、せっかく練習したスィングまで乱れてしまいます。
少しぐらい当たりが外れても、どこにあたってもそこそこボールが上がる、なんだったらなんとなく振ってもなんとなく飛んでいってくれる、というぐらいのクラブをおすすめします。
少し話がそれますが、クラブヘッドとシャフトの重要度比率はいくつぐらいか?なども見かけますが、これは人にもよりますし、もちろんスィングの完成度も無視できませんし、ものすごく極端なシャフトではない場合という前提でのあくまでの私見ですが、普通に楽しむアマチュアの方ならばクラブヘッド90に対してシャフトは10ぐらいで良いと考えます。
いいシャフトも合えばもちろんいいですが、メーカーの純正シャフトでも全然いいとわたしは考えています。
テレビに映ってくるプロたちはそもそもの求められるショットの精度が全く違う、しかも難セッティングの中でのスコア第一というラウンドとなり、必要に迫られてクラブもスィングも微調整を繰り返すのであって、アマチュアの人がクラブに対して厳密に緻密に気にしすぎる、というのとは土台の話が違います。
あくまで許容範囲という前提はつきますが、通常のコースセッティングのラウンドであれば、クラブにものすごく神経質になりすぎる必要はないのかなと考えます。
【ドライバーの設計は2✖️2=4種類】
少し長くなりましたが話をクラブに戻します。
先ほど少し元々の設計が、と書きましたが、ドライバーだけじゃなくクラブには必ず設計者の意図が盛り込まれています。
こういうプレイヤーに使ってほしいなというそれは、ドライバーの場合は大きく分けて4つです。
ボールの上がりやすさ(縦方向)と、スライスリスク(横方向)の組み合わせ、つまりボールが上がりやすいのかそうではないのかの2種類、ボールが左にいきにくいのか、右にいきにくいのかの2種類で、この2✖️2=4種類です。
ここであえて、左右含む方向の設計に関しては右にいきにくい、左にいきにくい、という表現をしたのは、ドライバーは特に曲がりやすいクラブだからです。
ここで冒頭のスライスリスクのお話です。
長さも長く、ロフト角の少ないドライバーは、ボールを押し出すところでクラブフェースが閉じてこないとほとんどはスライスします。
そしてこれを嫌がると今度は左に引っ掛けてしまう、ということも起こります。
こうなるとドライバーを気持ちよく振ることができなくなってしまいます。
曲がることがダメなのではなく、ドライバーは誰であっても曲がりやすい上にヘッドの設計も分けられているクラブですので、そこをよく理解しましょう。
もっと言えば、クラブで曲がってしまったのか、スィングで曲がってしまったのか、です。
ドライバーというクラブは曲がりやすいクラブです。
その曲がってしまった時に、原因が自分なのかクラブなのかが、自分自身で感じやすいクラブをなるべく使いましょう、というのがこの回でお伝えしたいことです。
ドライバーがいつもまっすぐ、というのはなかなか難しい、ということを経験上の実感としてわかってくるまではもしかすると何を使われても何も感じないかもしれません。
まっすぐ飛ぶ!が一番ですが、そもそもドライバーは曲がりやすいクラブなので、もし曲がってしまった時にどちらが嫌か、右が嫌か、左が嫌か、このイメージを自然と持つことになるだけで実はかなり前進です。
繰り返しますが、ドライバーというのは元々が誰でも曲がりやすいクラブであること、それに加えて、ドライバーのヘッド設計による、4種類の重心設定を理解して、選んでいきましょう、というお話でした。
次回は4種類のヘッド設計をもう少し説明していきます。