みなさんこんにちは。
前回まで続いていた、ゴルフ地図編からフェアウェイウッド編に戻ります。
少し前のフェアウェイウッド編②からの続きですが、そこまでをもう一度簡単にまとめますと、フェアウェイウッド(以下FW表記)、特に距離を稼ぐ番手のFWは如実にそのプレイヤーを表している場合が多く、バックにはFWは何番から入っていてヘッド(大まかに言って日米のメーカーで少しちがう)やシャフトのスペックなど、どういうFWをどのように使われているのかでその人のスイングのイメージなどが伝わってきやすいです。
またさらにもう少し細かく言えば、クラブフィッティングや試打会なども活用していくことで具体的な自分の現在地がわかりやすいのでいいです、というお話でした。
【スイングの「ビジネスゾーン」はプレイヤーにとっても不随意】
これはわたしの考察ですが、一番簡単な例を出すと足の速さ(短距離)です。
学生時代に50m走などのタイムを毎年測定したかと思いますがその数値は特に乱高下することなく、大体いつもこれぐらいだな、という方が多かったのではないでしょうか。
足の速さというのはある程度持って生まれたもので、特別なトレーニングなどをしない限り、その人ではどうしようもないものの一つと思われます。
ゴルフの飛距離、特にキャリーボールの距離は言わばこの足の速さみたいなものではないかな、というのが今回のお話です。
長さがあってロフト角が少ない、距離を稼ぐ番手のFWでセカンドショット以降のボールを打つということはまず何をおいても単純にボールが上がらなければいけない、ボールを浮かせる力がない事にはボールは前へ行ってくれません。
芝生の上からのショット、特にロングショットにおいて、単純にボールに伝える力があるのかどうか、まずこれが一つです。
少し話が逸れますが、誤解を恐れずに提言しますと、もし長期での練習(少なくとも年単位)を見越す場合、本来なら最初の段階でこの50m走のような測定値を有効に使うことができるなどの機能がクラブフィッティングなどにあればかなり理想的ではないかなと考えます。
それぐらい、ロングショットで自分のボールを上げていく単純な「力」をまず体感し、それから把握し、簡単に意識から忘れないようにする、ことは重要だと考えます。
【力とスピードは別物】
「力」とわざわざ表記したのは、ヘッドスピードとは別、先ほど50m走を例えに出しましたが、足の速さは「出る」ものであって「出そう」としても無理ですよね。
ボールへの力の伝導はこれに近く(特にコース上)、ヘッドスピードは一定の目安となる数値でもちろんないよりはある方がいいですが、おそらく全てではないでしょう。
ここでまた少し話が逸れますが、これまで国内外のツアーで多数の優勝を
重ねてこられた日本人プレイヤーたちは男女共におられますが、いつも
ものすごく飛距離のある選手ばかりではありません。
この決して飛ぶわけではないけれども勝利を重ねている、あるいは重ねてきた
選手たちの武器はやはり緻密で繊細なショートゲームです。
ゴルフのスイングはインパクトのためにあります。
ドライバーからパターまで、長いクラブから短いクラブまでのスイングは
全てその時に求められる弾道や距離感、イメージなどを表現するインパクト、
つまりタッチ(強さ)のためにあると言っても過言ではないでしょう。
このタッチ(強さ)を見失わないこと、自分の癖を知ることが非常に重要だと
個人的には考えます。(だからゴルフは一定数の練習量が必要)
距離は決して出るわけではないが飛距離を制するほどショートゲームに
長けている選手たちはこのスイングによるインパクトでの伝導効率が高く
(どのショットのタッチも揃っている)、よって再現性がアップし、それにより
エネルギーを使わずに優れた距離感を保つことができているので、特に長丁場の
試合ではそれがスコアの差となって現れているのではないかと。
つまり、ショートゲームに長けている選手は確実に「出る力」をうまく使えてる、
もっと言えば「出そう」としていないので、脳のエネルギーは使っていません。
体の感覚でスイングしインパクトを迎えられているので、一番集中力を要する
ゲームの勝負所で息切れしないのではないかと考えます。
端的に書くと、飛ばないというより(意識無意識関わらず)飛ばしていないので、
大事な最終盤に余力をとっておくことができている、というところでしょうか。
最初から自分が持つ自然と「出る」力でスイングし、なるべく省エネでボールを飛ばすという習慣を身に付けるのに、距離を稼ぐ番手のFWを抵抗の大きなコースのセカンドショット以降、いきなりものすごく飛ばなくてもいい、何となくポンポンと使っていけるようになるといいことがあります、というお話でした。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。