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ゴルフクラブのお話〜ユーティリティークラブ編(考え方)②前半〜

みなさんこんにちは。

今回はユーティリティークラブ編(考え方)②です。

どうぞ最後までお付き合いください。

 

前回までの文中、「間違ったスイング」と「スイング自体を間違っている」を今回よりそれぞれ、「オリジナルスイングをされている人」、「スイングをオリジナル解釈されている人」といたします。

便宜上とはいえ、読みにくい表現、適切ではない表現を大変失礼しました。

お詫びし改めさせて頂きます。

 

前回のユーティリティークラブ(以下UT表記)編①にて特に「スイングをオリジナル解釈されている」かもしれない人への説明のため、UT編(考え方)は同じUTでもアイアン型ではなく、ウッド型のUTについて書きます、としました。

今回②は【ウッド型UTはそもそも「ど会心」を求めるクラブではない、からのロフト角考】でしたが、②を前後半に分けてお送りします。

今回は②前半として「ウッド型UTは「ど会心」を求めるクラブではない」という説明と、ウッド型UTクラブ活用方法についての説明に費やしています。

 

【ウッド型UTはオリジナルスイングの人には「お助けクラブ」、スイング解釈がオリジナルの人には「スーパーお助けクラブ」】

 

少し時間は戻ります。

個人的には90年代後半に始めたゴルフですがウッドとアイアンの中間タイプという、当時では画期的なUTクラブ『ビガロウスメディア』がリョービ(今はゴルフ事業から撤退)という会社から発売されたのは97年。

今ではすっかり定番クラブのウッド型UTですが、リョービ発の『ビガロウスメディア』が最初だったことは記憶にはっきりあります。

発売後すぐにこれを使っていた人が周りにほとんどいなかったこともあり、個人的にはショートウッド派になっていきますが、この後は『パワートルネード』(キャスコ発99年)や『ズームC』(プロギア発00年)、『レスキュー』(テーラーメイド発、初代は01年)などなど今でも現行モデル、あるいは廃盤になったものの記憶に残る印象的なウッド型UTクラブが当時、続々と発売され、どれもかなりのヒット商品だったのではないでしょうか。

 

ですので、はからずもこのウッド型UT草創期に立ち会う形となった人たち(個人的にはウッド型UTへは行かずに使っていた鍛造アイアンからこれまた当時メガヒットしたキャロウェイ発のグースネックアイアンへ移行、そこからのショートウッド派の流れ)の中で、日頃からロングアイアンが難しいな‥や、ミドルアイアンが打ちづらい‥と感じられていた人たちがこれらのクラブを手にした時、これは打ちやすいー!となり、各メーカー発ウッド型UTが次々ヒット商品となっていったことは想像に難くありません。

(この時期、個人的にアイアンを変えたのは打ち易さ云々が理由ではなくただ単にアメリカのメーカーのクラブを使いたかっただけという理由。この新しいアイアンに完全にアジャストするのに半年以上要し、クラブを変えることの難しさを身をもって知る)

 

前置きが長くなりましたが、ウッド型UTクラブはウッドとアイアンの中間クラブとして発売され、主にはロフト角19度から25 度までをカバーするクラブとして今も高い支持を受けています。

つまるところ、ウッドやロングアイアンの代わりとしてのクラブ、ウッド型UTはお助けクラブ、「スイングをオリジナル解釈されている」かもしれない人にとっては「スーパーお助けクラブ」と言っても過言ではありません。

 

【「お助けクラブ」ゆえに「ど会心」の分厚い当たりはなかなかない】

 

ウッド型UTは自転車に置き換えると補助輪付きの自転車です。

補助輪付きの自転車であれば、誰でもすぐに乗れます。

また、この補助輪付き自転車でスピードを出そうとする人は少ないのではないでしょうか。

それから、急なカーブやでこぼこ道で運転しやすいのは補助輪なしのノーマルな自転車です。

 

ロングアイアンよりも見た目が膨らんでいる(ヘッドの動きを安定させる補助輪の役目)ウッド型UT

このヘッド形状が意味することは、見た目からしてあるその安定感とひきかえに、急な加速や急なリリースにはあまり向かないクラブだと考えてください。

あまり何かを考えなくても補助輪付き自転車であれば、乗ってペダルをただまっすぐこぐだけ、と同じイメージです。

 

自分は加速やリリースをしながら、クラブをスイングしたい、又はウッド型UTであってもドライバーやアイアンなどの他のクラブと同じように「ど会心」のショットも求め、振っていけるだけ振っていく、という方はウッド型UTではなく、シンプルにアイアン型UTもしくはロングアイアンを使われることをおすすめします。

 

ゴルフクラブはドライバーからウエッジとパターまで、ある程度の長さやもしくは重さがあるので難しい、ゆえに打ちこなすまでの練習は要します。

しかし、それぞれのスイングが安定すると遠心力が増すため今度はインパクトが安定するので、いわゆる芯に当たる、厚い当たりとなっていきます。

これがウッド型UTの場合、長さはウッドより短く、重さ(ヘッド)はアイアンより効いていない、いわば「補助輪付きのいいとこ取りお助けクラブ」ですので打ちやすさと分厚い当たりというのは他のクラブほどは両立しません。(ロフト角が多くなればなるほどその傾向は強い。また厳密には、モデルによっては限りなくできているものも正直あるが、そのプレイヤーが持っている他のクラブとの対比になるのでやはり一概には言えない場合が多い)

 

安定してまっすぐ進むのには補助輪付き自転車はいいが、急加速や急な方向転換にはノーマルな自転車がいいのと同じです。

以上のことから、「オリジナルスイング」の方にとってお助けクラブであるウッド型UTはボールの行方、スイングの結果がまずまずであれば、他のクラブほどインパクトの手応えがあまり良くなくとも、そこは深追いしないことをおすすめします。

繰り返しとなりますが、打ちやすいクラブだからと分厚いインパクトを求めすぎないようにご注意下さい。

その時はアイアン型UTやロングアイアンに速やかにチェンジされる方がシンプルですし早いでしょう。

 

【『スーパーお助けクラブ』であるウッド型UTでプレショットルーティンを練習する】

 

少し長くなってきていますが、ここから以下はウッド型UTのもう一つの活用方法についてです。

もしかすると自分は「スイングをオリジナル解釈している」かもしれないとお心当たりのある方、練習場にてお持ちのウッド型UTを使ってハーフスイングでの練習を一度、一定期間行ってみてください。(可能であればティーアップなしで)

 

(ヘッド)スピードを出そうとしたり、方向転換(急なリリース)を無理にしようとせず、ボールのインパクト前後、スイングのビジネスゾーンではクラブヘッドをはく(箒ではくのはく、英語ではブラッシュする)ようにスイングします。

できれば最初はボールの行方は気にせずに(フルスイングではないので飛ばなくて当然、極端な飛球でなければいい)、徐々に慣れてきた時、ロフト角通りにボールが上がってポーンと飛んでいるなとなれば、今度はスイングの前のプレショットルーティンを意識して同じようにハーフスイングをしてみてください。

いきなりよいしょとクラブを構えて打たず、構える前はまずクラブをソールし、クラブの位置が決まればそこでグリップし、最後にスタンス(ハーフスイングならばあまり広くなくてもいい)を決めて、そこからクラブをスイングする、というスイング前の手順、プレショットルーティンを取り入れ練習されることをおすすめします。

 

その際、ハーフスイングとは言え、ボールが低く感じるな、とかまたは、ウッド型UTは当たるけれどもそれ以外のウッドやアイアンはUTほど打ちやすくないな、などと感じられるなど、様々な疑問が人によっては出てくるかもしれませんが、打球や打感の違和感は多少あってもそのままプレショットルーティン付きハーフスイングをめげずに練習してほしいと思います。

 

以前であればこのようなハーフスイングは真ん中の番手とされる6番や7番アイアンなどで練習しましたが、「スイングをオリジナル解釈されている」かもしれない人はまず、アイアンではなくこのウッド型UTでハーフスイングの練習を代替してみてください。

ウッド型UTでこの練習に慣れてきたら7番アイアンやピッチングなどのアイアン、それからロフト角の少ないFW、と番手を変えながらプレショットルーティンを意識しスイング(振る)以前の部分、グリップ(握る)や構える(アドレス)の練習も併せて行ってみてください。

最初からはうまくいかないかもしれませんが、少しずつ慣れてきたら、いつもの「自分で何でも打っていく」と少しちがう、「クラブが仕事をしてくれている」という感覚が少しずつ得られる事と考えています。

 

ドライバー編のところでも以前に書きましたが、自分にクラブを合わせるのではなく、クラブに自分を合わせることを地道に少しずつ、毎回の練習の15分でもいいのでどうぞお試しください。

すぐではないかもしれませんが、数ヶ月後には前進しているのではないかなという風に考えています。(その気になれば素振りでもできる、構えるところまでなら家の中でもできる)

 

半分にしたにも関わらず、長くなってしまいましたが今回の②前半はここまでです。

次回の②後半ではこの内容を踏まえ、【ウッド型UTのロフト角考】です。

それでは今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

2020/07/13        bridge   |