好物の一つに「豆かん」があるのですが、大好きだった豆かんはもう手に入りません。
神楽坂の「紀の善」という甘味処が大好きで、と言っても年に数回、
自分へのご褒美のたびに足を運ぶ特別な場所でした。

昨年の9月に閉店していたことを今年の1月に知りました。
そこから、私の豆かん放浪記が始まったのですが、いまだに見つかりません。
いやこれからも無理そうです。

1月にこの絶望をきっといろんな友人に話したんだと思います。覚えていません。
聞かされたと思われる友人が、「これはどう？」と持ってきてくれたのが、
虎屋の「月の暁」です。
見るからに高級なパッケージ。説明書きを読むと、
虎屋専用の契約農場で種まきから収穫まで手作業で栽培された白小豆、
「福とら白」を使った羊羹、と書いてありました。
値段、怖くて知りたくないわーー。

棹物は苦手分野、それを知っているのになぜ羊羹？という私の心を見抜いたように、
目の前でニヤッとしながら何度もうなづき、アゴで「いいから食してみ！」と無言で指示する友人。
お抹茶点てて、神妙にいただきました。
羊羹じゃない。白マメの美味しい塊だ。甘すぎず感動的な美味しさ。

友よ、ご褒美をありがとう。
元気出ました。豆かん探しを再開します（笑）