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藪の中

貴乃花親方の突然の引退会見に驚きました。
貴乃花親方と芝田山広報部長の言い分は全く違うので、
どちらが本当なのかについて、朝の情報番組ではいろいろと予想をしていました。

こういうトラブルを見るといつも、黒沢映画の「羅生門」を思い出します。
舞台は平安時代、殺人事件を目撃した数名とその関係者すべてが食い違った証言をします。
同じ事象をそれぞれの視点で描いており、
その食い違いは、それぞれが見栄を張るための嘘をついたためで、
真実はつまらない、情けないものであったことがわかります。

ラストシーンも秀逸で、偉そうに批評をしている人もまた人非人であり、
けれども純真無垢なものの前では人でなしもまた人であることを示唆し、
真っ暗な世の中にも小さいけれど光る希望があることを教えてくれます。

人間はエゴイズムの塊であることを思い知らされる映画です。
それぞれの心情を表す場面の音楽も素晴らしい。

週末はDVD借りてこようと思います。

2018/09/26        002   |