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新着情報  2020年02月

ゴルフクラブのお話〜ドライバー編(考え方)③〜

前回のドライバー編(考え方)②では、ゴルフクラブの設計は見たままですので、

ドライバーの場合は上からの投影面積が大きく薄い設計は上がりやすくスライス

しにくいもの、反対に上からの投影面積は小さく厚みのあるものは中弾道の

ボールが出やすくフックしにくいもの、いわば前者はラケットタイプ、

後者はバットタイプです、それを認識してください、というお話でした。

 

【バットがまずあり、次にラケットが出てきた】

 

さて今回は、前回の難しいラケット、易しいバットのお話の続きです。

なぜ難しいラケットや易しいバットなど、少し不思議なタイプがあるかと

いうことですが、この理由はドライバーのタイプとして最初からラケットと

バットが先にあったのではなく、まずバットがあり次にラケットが出てきた、からです。

 

【バットをラケットにした「ゼクシオ」シリーズ】

 

ゴルフをされている方なら一度は聞いたことがあると思いますが、

発売以来、20年間売れ続けている「ゼクシオ」というクラブがあります。

今回のモデルで11代目ですが、一つのモデルでこれだけのロングセラーは

異例中の異例といえるでしょう。

このクラブはものすごく簡単に言えば、100を切りたい人に発売されたものです。

ドライバーの設計でいえば、ヒールヒットに強くスライスしにくいということは

挙げられますが、クラブコンセプトとしては、飛距離や方向性というよりは、

構えやすいヘッドに振りやすいシャフト、打球音、長さや重さなど細かく作られた、

完成品としてのトータルの高さです。

振りやすく飽きがこないモデルとして発売され、以来ずっと売れ続けています。

初代の発売が2000年、この時のモデルは今のものと比べても上からの

面積は小さく、見た目はそれこそ「易しいバット」ですが、

それまでのバット型のドライバーをラケット型にした、決定的な

クラブだと言えるでしょう。

 

【使いたいのは「ゼクシオ」か「非ゼクシオ」か】

 

あまりに長期間、売れ続ける「ゼクシオ」シリーズ。

「振りやすいクラブ」に対するゴルファー達の支持はその勢いが

止まるところを知らず、他メーカーは自社のモデルの中に、

「ゼクシオ」風のシリーズを続々とラインナップしていきます。

クラブのご相談を受けると今でもこういう質問をさせて頂きます。

使いたいのはゼクシオタイプですか?それとも非ゼクシオタイプですか?と。

 

【人は視覚の情報に影響されるが、ゴルフはそれでいい】

 

人ならば、その対象がなんであっても、見た瞬間にピンとくるってありますよね。

これはゴルフクラブでも全く同じでしょう。

ドライバーは平べったいものがいいですよって言われても、

もっとシャープなものが使いたいとか、ゼクシオのようなモデルよりも

プロが使用しているモデルを使ってみたい、など特に男性なら

こういう感覚の方は多いと思われます。

見た目にこだわりのある方は多いと思われますし、

そのお気持ちはよくわかります。

 

単刀直入に、この回でお伝えしたいことは、

ゴルフクラブは使いたいものを使ってください、という話です。

 

ピンときたものを使う方が単純に楽しいですし、

またそうでなければ意味がありません。

ゴルフクラブはやはりゴルフをする上で、欠かせない楽しみの一つです。

わたしはよほどでなければ、クラブに関してこれはやめておいた方が

いいとかそういう言い方はほとんどしません。

もし質問されれば、このクラブを打ちこなすには、これぐらいの体力、

こういうスィング、このようなショットが打てるぐらいの技術が必要、

という風に説明します。

どれを使えばいいか?と聞かれればご自身で使いたいものを使えばいい、

とお答えします。前の章にも書きましたが、普通に名前の通っている

クラブメーカーが発売しているクラブに変なものはほとんどありません。

それがこの10年以内の発売のものであればさらに大丈夫です。

好きなもの、気に入ったもの、なんとなくこれが良さそう、

と自然に感じるものがあればむしろ、それを使ってみられればと考えますし、

ご相談を受ければほとんど反対しません。

ピンときたものは受け入れるべきですし、たとえそれで遠回りになっても

後から必ず納得できるからと、断言しておきます。

ゴルフクラブに少しあつすぎる説明ですが、大袈裟ではなくクラブに限らず、

スィングでも目標でもゴルフは下方修正をいくらでもしていい、

むしろ下方修正の発想をうまく使って、どんどんいろいろとチャレンジするべき、

と考えています。

クラブに関して言うならば、自分が気に入ったクラブはどういうものか

詳しく分かっている、それを打ちこなすにはなるべくこういうことが必要、

それについてのおおよその設計図がある、もっと言えば、自分は本当に

そのクラブを使いたいと思えているか、が大事です。

クラブであっても、こういうものを使ってみたい、

というのはその人の一つの感性です。

そのクラブが今の自分にあっているかどうかより、そういう感性があること自体、

いいことだなとお客さんたちのお話を聞く度にそう思います。

質問やクラブに関する嗜好の話題もそうですが、せっかくの知的好奇心を

大事にして欲しいと考えます。

 

少し長くなってしまいましたが、ドライバーに限らず、

ゴルフクラブは趣味嗜好で選びましょう、そしてそのクラブがどういう

クラブか知っておきましょう、クラブメーカーのものはいいクラブ

ばかりなので何を選んでもほとんど問題ないですよ、というお話でした。

まずバットがあり、次にラケットになったため、中には易しいバットや

難しいラケットなどもあります。

選んでみたものの、クラブについて少しわかりにくいな、

これはどういうものだ?となったなら、それがゼクシオタイプか

どうなのかを考えてみてください、というお話でした。

 

さて次回はドライバー編(考え方)の最終週として、

ドライバーがとにかく難しい、うまく打てないという人へのお話です。

 

 

 

 

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2020/02/25        bridge   |   

ゴルフクラブのお話~ドライバー編(考え方)②~

『そのドライバーは、ラケットかバットか』

『ドライバーの設計は見たまま』

 

前回のドライバー編(考え方)①では、ドライバーは曲がりやすいクラブなので、

その原因が自分にあるのか、クラブにあるのかがわかりやすいクラブを使いましょう、

それにはボールが上がりやすいクラブがオススメです、というお話でした。

 

今回はドライバー編②(考え方)としてドライバーの設計についてのお話です。

 

前回にも軽く触れましたがドライバーはざくっと分けて、

ボールの高低と捕まり具合の組み合わせの4種類です。

これをさらに簡単に説明するとヘッド設計がラケットかバットか、です。

 

ラケット、は当たる面積も大きいので当てるだけなら当てやすいですね。

空振りして仕方がない、という人はそんなにいてないのではないでしょうか。

一方で、バットはラケットより当たる面積が小さくなるので

当てるのは難しくなりますが、当たればラケットより強いボールが出ます。

(あくまでボールに当てる、という視点のみからのお話です。)

軽いラケットよりも重いバットの方がそれを振りきる力が必要で、

その上でボールに当てていく技術がある、という感じでしょうか。

 

ゴルフはゴルフで、テニスでも野球でもない、クラブの当たるところもボールも小さく、

とにかく当てるのに大変だという方もおられるかもしれませんが、

そのお話は2週先に述べたいと考えています。

 

ラケットとバットにはそれぞれ易しいものと難しいものがあります。

ドライバーはものすごくザクッと言えば、この4種類というイメージです。

難しいラケットと易しいバットって少し不思議な感じですがここについては

次週、後述します。

易しいラケットと難しいバットも当たり前なので、

それぞれラケットとバットで表記します。

 

ラケットとバット、この2つの区別がつかない方はおられないでしょう、

まず見た目が違ます。

クラブも同じで、ドライバーを構えた時に、上から見た面積が

大きいものがラケット型、小さいものがバット型です。

ゴルフクラブの設計は見た通りです。

上から見て面積が大きく平べったい形のものが易しいクラブ、

スライスしにくく、ボールが上がりやすい、上からの投影面積が

小さくて厚みのある形のものが難しいクラブ、フックしにくく、

ボールはライナーで飛び出しやすい、です。

平べったい形ということは重心がソール側にあるのでボールが

上がりやすい設計、厚みがある形ということは重心がソール側より

高くなるのでボールはライナーで飛び出しやすい、ということです。

 

クラブの設計というと少しむずかしく聞こえますが、クラブは見たままです。

 

少し話がそれますが、クラブ、特にドライバーは体積での表示が主です。

これは競技で使用できるドライバーの体積の大きさがルールで定められており、

プロトーナメントやアマチュアの主要競技や、各ゴルフコースのクラブ競技でも

順守されている場合がほとんどです。

ドライバーのヘッド設計の場合、トレンドやテクノロジーが載っている場合が多く、

クラブの進化の象徴の部分がありますが、具体的な説明をするとヘッドの大型化、

それから次に、深重心化です。

大型化はボールの上がりやすさを、深重心化はボールの捕まえやすさを

それぞれ実現させました。

 

ここ最近の進化具合はやや落ち着いていますが、特に2000年以降は大型化、

そこからさらに2010年前後は深重心化と、ドライバーのヘッド設計は

メーカー各社の努力や競争もあり、大きく変わっていきました。

クラブを買う前に、のところでも書かせていただきましたが、

10年前のモデルでも問題はほとんどない』というのは、

これはそういうことです。

 

話を元に戻します。

ドライバーにはラケット型とバット型があります。

それはドライバーの見たままに現れており、上から見て

大きく薄く平べったい形のものがラケット、逆に厚みがあって

上からの見た目が小さいものはバットです。

ドライバーを選ぶ時、それがラケットなのかバットなのかを認識してください、

というお話でした。

 

次週はこのそれぞれのクラブを構えた時の「顔」と、実際の機能のお話です。

 

 

 

 

 

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2020/02/17        bridge   |   

ゴルフクラブのお話~ドライバー①~

ドライバー編(考え方)①

『原因はクラブか自分か

 

「クラブに自分を合わせましょう」「予算の中で決めましょう」ということがこれまでのお話です。

ここからはドライバー(考え方)のお話を4週です。

初回は少し長文ですが4週分の内容を要約しますと、ドライバーを選ぶにあたり、スライスリスクをどう考えるのか、ということに尽きます。

もっと簡単に言えば、原因はクラブにあるのか、自分のスィングにあるのか、です。

特にドライバーは、これがわかりやすいものを選びましょう、というお話です。

 

【クラブの進化はゴルフボールの変遷が引き起こしている】

 

昔に比べてトッププロたちの平均飛距離は男女ともにすごく伸びています。

クラブの進化は大きな理由ですが、それはボールに起因しています。

ボールの進化に合うクラブヘッドが開発され、さらにそれに合うシャフトが開発されます。

これはどういうことかというと、自分が飛ぶということは同じように人も飛ぶ、ということです。

その代わりいきなり足が遅くなったりしないと同じように、いきなり飛距離が伸びたり逆に落ちたりすることも考えにくい、ということでもあります。

心配しすぎずないでください。

 

飛ばないよりは飛んだ方がもちろんいいのですが、飛距離は一旦横に置いて、ボールの上がりやすさを重視してください。

適正な(バック)スピンを加えてボールのフライトを安定させることがまず大事です。

練習場はともかくコースの場合、どんな人でもドライバーのボールが上がらない、上がりにくい、と感じると無意識に上げようとしてしまいます。

もしも、元々が、中弾道が出やすいように設計されているクラブを無理に上げようとしてしまっていたら、せっかく練習したスィングまで乱れてしまいます。

少しぐらい当たりが外れても、どこにあたってもそこそこボールが上がる、なんだったらなんとなく振ってもなんとなく飛んでいってくれる、というぐらいのクラブをおすすめします。

 

少し話がそれますが、クラブヘッドとシャフトの重要度比率はいくつぐらいか?なども見かけますが、これは人にもよりますし、もちろんスィングの完成度も無視できませんし、ものすごく極端なシャフトではない場合という前提でのあくまでの私見ですが、普通に楽しむアマチュアの方ならばクラブヘッド90に対してシャフトは10ぐらいで良いと考えます。

いいシャフトも合えばもちろんいいですが、メーカーの純正シャフトでも全然いいとわたしは考えています。

テレビに映ってくるプロたちはそもそもの求められるショットの精度が全く違う、しかも難セッティングの中でのスコア第一というラウンドとなり、必要に迫られてクラブもスィングも微調整を繰り返すのであって、アマチュアの人がクラブに対して厳密に緻密に気にしすぎる、というのとは土台の話が違います。

あくまで許容範囲という前提はつきますが、通常のコースセッティングのラウンドであれば、クラブにものすごく神経質になりすぎる必要はないのかなと考えます。

 

【ドライバーの設計は22=4種類】

 

少し長くなりましたが話をクラブに戻します。

先ほど少し元々の設計が、と書きましたが、ドライバーだけじゃなくクラブには必ず設計者の意図が盛り込まれています。

こういうプレイヤーに使ってほしいなというそれは、ドライバーの場合は大きく分けて4つです。

ボールの上がりやすさ(縦方向)と、スライスリスク(横方向)の組み合わせ、つまりボールが上がりやすいのかそうではないのかの2種類、ボールが左にいきにくいのか、右にいきにくいのかの2種類で、この2✖2=4種類です。

 

ここであえて、左右含む方向の設計に関しては右にいきにくい、左にいきにくい、という表現をしたのは、ドライバーは特に曲がりやすいクラブだからです。

ここで冒頭のスライスリスクのお話です。

長さも長く、ロフト角の少ないドライバーは、ボールを押し出すところでクラブフェースが閉じてこないとほとんどはスライスします。

そしてこれを嫌がると今度は左に引っ掛けてしまう、ということも起こります。

こうなるとドライバーを気持ちよく振ることができなくなってしまいます。

 

曲がることがダメなのではなく、ドライバーは誰であっても曲がりやすい上にヘッドの設計も分けられているクラブですので、そこをよく理解しましょう。

もっと言えば、クラブで曲がってしまったのか、スィングで曲がってしまったのか、です。

ドライバーというクラブは曲がりやすいクラブです。

その曲がってしまった時に、原因が自分なのかクラブなのかが、自分自身で感じやすいクラブをなるべく使いましょう、というのがこの回でお伝えしたいことです。

ドライバーがいつもまっすぐ、というのはなかなか難しい、ということを経験上の実感としてわかってくるまではもしかすると何を使われても何も感じないかもしれません。

 

まっすぐ飛ぶ!が一番ですが、そもそもドライバーは曲がりやすいクラブなので、もし曲がってしまった時にどちらが嫌か、右が嫌か、左が嫌か、このイメージを自然と持つことになるだけで実はかなり前進です。

 

繰り返しますが、ドライバーというのは元々が誰でも曲がりやすいクラブであること、それに加えて、ドライバーのヘッド設計による、4種類の重心設定を理解して、選んでいきましょう、というお話でした。

 

次回は4種類のヘッド設計をもう少し説明していきます。

 

 

 

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2020/02/12        bridge   |   

ゴルフクラブのお話~クラブを買う前に④~

 

『普通に名が通っているゴルフメーカーが出しているクラブにおかしなものはない』

『流行りもあるが過去10年ぐらい前の発売のものであればほとんど問題なし』

 

自分にクラブを合わせるではなく、クラブに自分を合わせてみてください、

というのがこれまでのお話です。

 

『クラブを買う前に』のまとめとして、一つずつ納得するためにも、

予算はしっかり決める、です。

 

クラブ選びをしていると、もっと良いクラブがあるのではないかという考えに

なり易いですが、これを考えてしまうと必ず迷走します。

当然のことですが、予算をまず設定しましょう。

始めていき慣れてくると、周りを見る余裕が出てきます。

自分の趣味嗜好がわかってきます。

自分のことがわかるまでは、無茶や無理をする必要はありません。

また、時には高いクラブを勧められることもあるでしょう。

高いクラブを選ぶのは前向きと言えば前向きですが、キリがなくなります。

自分にとっていいクラブかどうか、が大切です。

 

あくまで主体的に意思決定ができるまでは自分で決めた予算に沿って

その範囲でクラブを選びましょう。

ビギナーの方ならば、高いクラブの予定をやめて、その差額でコースに行ったり、

期間限定でスクールに通われたりしてもいいと思います。

わたしがスターターセットをお勧めさせて頂く理由もそこにあります。

かと言って、何度も買い替えるのが手間と思われる方も多いでしょう。

いろいろな考えやケースがあって当然です。

これまでかなりの数のご相談を受けさせて頂く中、

最後には同じお話をさせて頂きます。

ゴルフを楽しむにあたり一つ一つ納得していくことは欠かせません。

ゴルフの最初の壁は結構高く、大変です。

急いで上手くなる必要はないですし、物理的に考えてもなかなか困難なことです。

最初は自分のペースを掴むことが大事です。

自分なりのペース配分を考えましょう、その時それが予算に

基づいているのであれば、それが一番の道です。

 

クラブへの考え方1つでも、自分の現在位置がわかり、

こんがらがりやすいゴルフの道筋がそこからたってきます。

 

ゴルフに関しては、急がば回れではないですが、試行錯誤はつきものです。

試行錯誤の思考とでも言いますか、考えて結論を出すのに、

基準がある方がよりいいです。

決断を信用できれば長く、いい雰囲気でゴルフを楽しめます。

いい雰囲気になればいいスコアも出やすいです。

 

高等技術でもある、みなさんのせっかくの試行錯誤が無駄にならないよう、

こちらを見ていただけた方たちに考えを整理してもらえればと思い至り、

こちらに書かせて頂くことになりました。

 

次回からは「ドライバー」(4週)についてです。

どうぞお楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

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2020/02/03        bridge   |