ゴルフクラブのお話〜ユーティリティークラブ編(考え方)③〜
みなさんこんにちは。
今回はユーティリティークラブ編(考え方)③です。
どうぞ最後までお付き合いください。
【ウッド型UTを入れている時点で『守り』だと知る、からのシャフト考】
前回までのユーティリティークラブ(以下UT表記)編②後半では
ウッド型UTのロフト角について考察しました。
主にはロングアイアンの進化形代替クラブ、UTのシャフトを入れ替えたいと考えられる方はあまりおられないかもしれませんが、今回の③はUTのシャフトについてです。
アイアンの章でも触れましたが、プロパー商品で最初から入っているスチールとカーボン、それぞれの重さのギャップを埋めるため、という理由のリシャフトはウッド型UTとは言え、それから結果はともかく、これはあると思われます。
ただ、今でも十分打ちやすいが、もっと打ちやすいUTにしたいという理由からのリシャフトの場合、トーナメントプロは別として個人的にはあまりおすすめしません。
サブタイトルのままですがUT、特にウッド型UTを入れているということは
ロングアイアンの代わりです。
神経を使うロングアイアンを外してウッド型UTを入れて、打ちやすいクラブとして完成されているシャフトを入れ替えるのは余計な神経をわざわざ使う上、単純にもったいないですし、ウッド型UTのシャフトの違いをジャッジできるのであれば、おそらくアイアン型UTもロングアイアンも打っていくことができるでしょう。
【ゴルフクラブ誤差認識力について】
UTから少し話は逸れます。
クラブのスイッチ(やリシャフト)を成功させるかも?
というお話を少しベタではありますがしたいと思います。
「とは言っても、今よりももっといいクラブがあれば試すし、気に入ればリシャフトもしていきたい!」という方もおられるでしょう。
このように考えられる方はゴルフする機会も多く、しっかりしたオリジナルのスイングもあるという方たち、いわゆるアスリートプレイヤーやアクティブプレイヤー(お付き合い程度ではなく趣味のスポーツとして定期的にゴルフをされている人たち)のみなさんです。
現状もそこそこ気に入ってるけど、今よりももっといいクラブがあるならそれも使っていきたい!という考え方、聞いてるだけでもドツボにハマりそうなので、個人的にはあまりおすすめではありませんがそれでもトライ&エラーはいとわない、という方への提言です。
特にアクティブプレイヤーのみなさんが新しいクラブを試したい、もっといいシャフトに替えたい、という気持ちの中に今のクラブ、打ちやすいのはいいけど自分はもっと飛ぶのではないか?と潜在的に考えられている場合が多い事と思われます。
そのような方の試打を見る時、例えばドライバーの場合、ボールは少し上がってどのクラブでも「そこそこまっすぐ」飛んでいきます。
同じ人がいつもと同じ感覚、同じリズム、同じ精神状態でいつもとは違うクラブをスイングしているにも関わらず、です。
いつもと違うクラブを同じ人が同じスイングをすると、飛び出されるボールは変わらないとおかしいのですが、実際はどれもやや上がり気味、方向はまっすぐというボールが飛んでいく、という事が多い気がします。
本来ならば新しいクラブを試打し、そのクラブのヘッドがいつものものよりもしっかりしている感触ならボールは右に飛び出しますし、シャフトが重い場合なら弾道は少し低くなる、などです。(両方ともボールが捕まらない設定なので)
これを「(ゴルフクラブ)誤差認識力」と勝手に名付けてよんでいます。
いつものクラブを基準とし、自分にとってそれぞれ新しいクラブに必ずある「誤差」(実際カタログやスペック表を見ればどう違うかははっきりとわかる)を意識してスイングすると、試打開始から3〜5球の間でそのクラブが自分にとってどうなのかがイメージできるようになっていきます。
そんなことは無理だと思われるかもしれませんが、最初に新しいクラブを試打して何もなければその後もずっとありません。
新しいクラブの性能が良いのは百も承知で、その上で自分の感覚やニーズに合うかどうか、最初の5球まででジャッジしてください。
やり方は簡単です。
試打をしてみて、最初の5球までで心に何も浮かばなければ「良いクラブ」で、ピンと来たら「欲しいクラブ」となります。
試打をしようと手に取るということは、打つまでの何か、見た目やイメージなどがいいからだと思われます。
ですので手に取る、この時点でその人にとって他よりも「良いクラブ」です。
さらに次のステップ、試打をしてみてそれが自分にとりどうかということが最重要ですが、この試打をして誤差を認識する作業の時、「良いクラブ」の思い込みが少し厄介な場合があります。
「クラブの性能のままスイングする」が試打では理想ですが、「良いクラブ」という思い込み(ほとんどの場合、実際良いクラブですが)により、飛球にそこまでの勢いは感じられないがとりあえずまっすぐ飛ぶ、という事になってしまいます。
少し文章のみの説明は難しいのですが、端的に書くと、人は何かしらの脳内イメージでゴルフスイングしている場合が多いのではないかという事です。
【本当に変えた方がいいのは動きやクラブではなくイメージではないかという仮説】
ゴルフは日本ではポピュラーなスポーツで、実際にスイングをしたことがないという方でも誰かがスイングをしている映像も一切見たことがないという方はほぼおられないのではないでしょうか。
どこかで何かで見たスイングの映像が脳に蓄積されて、その記憶が元となり、おそらくこう動かしているだろうというイメージに沿ってスイングしている、もしくは「これは良いクラブだからすぐにまっすぐ飛ぶはず」という間違ってはいないけれども、自分の身体感覚ではなく、目の前の情報に対するその脳の思い込みでスイングをしてしまう、ということが多いのではないかなと。
前者はスイングをオリジナル解釈しているかもしれないプレイヤー、後者はヘッドスピードの割に飛距離が出ない、スコアで言えば100は切れるけれども90がなかなか切れない、調子が悪ければ100をオーバーすることもある、というプレイヤーのイメージです。
そしてこの両方のタイプのプレイヤーによって、現在アクティブプレイヤーと言われる人たちのほとんどが構成されている、という気がしてなりません。(たぶん日本だけじゃなく)
個人的な感覚で表現しますと、動きにしてもクラブなどの情報にしても、「直接的過ぎるイメージ」でスイングをしている、(あるいはプレーをしている)してしまっている人たちという感じでしょうか。
ではなぜこういうことが起こるのか?ですが、理由は簡単です。
大人は頭がいいから、です。
そのようにしたい、あるいはそうしなければいけない、あるいはそのはずだから、という頭で先にスイング(あるいはプレー)してしまっている、という事実があるのではないか、という風に個人的には睨んでいます。
今回も少し長くなってしまいました。
お助けクラブであるウッド型UTのシャフトを変えるプレイヤーというのはごく少ないかと思われますが、重さ以外の理由で変えることは個人的には反対いたしました。
それをするならクラブ自体の選択を考え直す方が早いからです。
そして今回は、そこからさらに突っ込んで「アクティブプレイヤーの人たちがゴルフクラブを替えてもなぜ上手くいかないか?」を少しだけ考察しました。
次回はUT編まとめとして「嗜好の問題に帰結する」です。
ようやく長い長い梅雨が明けそうです。
コロナも相変わらずですが熱中症に気をつけながら夏を楽しみましょう。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。